摂社とは、住吉の祭神とゆかりの深い神社です
大海神社(だいかいじんじゃ)『重要文化財』
海の神様
本宮域の北側に鎮座する大海神社は、摂社の中でも最も社格が高く、住吉の別宮、住吉の宗社と称えられ古代の祭祀においても重要視された神社です。祭神は、海幸山幸神話の海宮の竜王とその娘にあたる豊玉彦と豊玉姫の二柱をお祀りしています。
社殿は、本社と同じ「住吉造」の本殿で、四本宮よりも古く宝永5年(1708)に造営されたものです。幣殿、渡殿、西門と共に重要文化財に指定されています。
鎮座地の西方は、往古より「玉出嶋」といい、神域の杜は「磐手の森」と称し、萩と藤の名所でありました。社前の井戸は「玉の井」と呼ばれ、山幸彦が海神より授かった潮満玉を沈めたところと伝えられています。
祭神
・豊玉彦命 (とよたまひこのみこと)
・豊玉姫命 (とよたまひめのみこと)
社格
延喜式内社(住吉郡小十二座の一)
船玉神社(ふなたまじんじゃ)
船や飛行機の安全を守る神様
船玉神社は、延喜式にも記載された古社で、船の守護神として信仰を集めてきました。船玉(船魂)とは、船舶そのものの神霊で、住吉大神とは表裏一体の関係として尊崇され、時には住吉大神の荒魂とされることもあります。
また、航空関係者から崇敬を重ねたこともあり、現在では航海、航空を問わず外遊渡航者が参拝に訪れます。社殿の扉には、日本古来の菱垣船や帆走船、上部には二機の飛行機が描かれており、全国的にも珍しい扉絵になっています。
祭神
・天鳥船命 (あめのとりふねのみこと)
・猿田彦神 (さるたひこのかみ)
社格
延喜式内社(住吉郡小十二座の一)
若宮八幡宮(わかみやはちまんぐう)
神功皇后の御子
五所御前の南側に西面して鎮座する若宮八幡宮は、第四本宮の祭神である神功皇后の御子にあたる応神天皇(八幡神)をお祀りする神社です。
住吉大神降臨の地である五所御前に隣接して鎮座していることや、若宮と称することは、神功皇后と応神天皇との関係をみたものであると思われます。
例祭は1月12日で、祭典時には特殊神事である湯立神楽が奉納されます。扉絵には、松と八幡神使である白鳩が描かれています。
祭神
・誉田別尊 (ほんだわけのみこと:応神天皇)
・武内宿禰 (たけしうちのすくね)
志賀神社(しがじんじゃ)
海の神様
大海神社に並列、西面して鎮座し、一つの社殿内に三座(ワタツミ三神)が並祀されています。
このワタツミ三神は住吉大神であるツツノオ三神と出現を同じくし、海の神として表裏一体の関係とされています。
ツツノオ三神が主として航海、港湾守護の神であるのに対し、ワタツミ三神は海そのものの霊威と持つ神として信仰されてきました。
住吉大神、神功皇后、大海神との深い関係性からこの住吉の地に祀られたといわれています。
祭神
・底津少童命 (そこつわたつみのみこと)
・中津少童命 (なかつわたつみのみこと)
・表津少童命 (うわつわたつみのみこと)