住吉大社の神様

祭神の神徳

祓の神

住吉大神は伊邪那岐命の禊祓 (みそぎはらえ) の際に海中より出現されたので、神道でもっとも大事な「祓(はらえ)」を司る神です。 住吉大社の夏祭り「住吉祭」が単に「おはらい」と呼ばれ、大阪はもとより摂津国・河内国・和泉国ひいては日本中をお祓いする意義があるほど、古くより「祓の神」として篤い崇敬を受けてきました。


住吉祭夏越祓神事(茅の輪くぐり)

航海安全の神

住吉大神は海中より出現されたため、海の神としての信仰があり、古くから航海関係者や漁民の間で、霊験あらたかな神として崇敬されてきました。 奈良時代、遣唐使の派遣の際には、必ず海上の無事を祈りました。 「住吉に斎く祝(はふり)が神言と行くとも来とも船は早けん」(万葉集)と詠まれるこの歌は、住吉大神の言葉として、遣唐使に対し無事の帰還を約束した神のお告げを伝えたものです。

このような海上安全の守護としての信仰は、江戸時代、海上輸送が盛んになるとともに、運送船業の関係者の間にも広がり、現在境内にある約600基の石燈籠の多くは、運送船業の関係者から奉納されたものです。


摂津名所図会「新船卸に住吉大神を船上に祀る図」

和歌の神

古来より住吉大社は白砂青松の風光明媚なところから、万葉集や古今和歌集などの歌集に数多く歌が詠まれております。
特に平安時代からは、歌道を志して参拝する人々も少なからず、献詠もまた数知れぬという有様でした。境内にはたくさんの歌碑・句碑が奉納されています。
有名な和歌としては、「我見ても久しくなりぬ住吉の岸の姫松いく代へぬらむ」(古今和歌集)があります。この歌は、神楽の曲として、今日でも歌われています。


天保法楽和歌短冊

農耕・産業の神

住吉大神が草を敷かずに苗代をつくる方法を教えたという伝説により、古くから「農耕の神」として篤い崇敬を受けてきました。 古い時代の農耕は当時の産業を代表するものでしたから、住吉大神は「産業の神」とも崇敬され、現在は農業関係者のみならず、商業・工業関係者からも深く信仰されております。

境内には約二反の御田があり、毎年6月14日には「御田植神事」が盛大に行われております。第四本宮祭神、神功皇后が長門国(現在の山口県)から植女 (うえめ) を呼び、御田を作り五穀豊穣を祈られたことが始まりといわれています。


御田植神事

弓の神

神功皇后の新羅遠征(三韓遠征)神話に由来します。神功皇后は住吉大神のお力をいただき、御自らも弓鉾をとり、大いに国威を発揚せられたとあります。
また、神功皇后は住吉大神の鎮斎に際し、その警護のために土師弓部(はじのゆみべ)十六人を当社におかれたといいます。その故事にちなんで、邪気退散・天下泰平を祈願し、御結鎮神事(お弓始め)が新春に行われます。


御結鎮神事(お弓始め)

相撲の神

「住吉松葉大記」によれば、往古の住吉大社年中行事のうち、相撲会(すもうえ)の神事が最も壮麗で盛大なものであったといいます。
現在も「宝之市神事(10月17日)」の近くの日曜日には、近畿高等学校相撲大会 並 大阪府中学生招待相撲大会が行われ、熱戦が繰り広げられます。


相撲会(住吉名勝図会)

住吉大社について