住吉の神さまは「海の神」として信仰されています。正しくは、底筒男命・中筒男命・表筒男命と申し上げ、イザナギノミコトのミソギハラエに際して海の中から現れた神で、神功皇后摂政11年(西暦211年)、
この地に鎮斎になったと伝えられています。
大和政権の玄関口にあたる難波(なにわ)に鎮座して、遣唐使をはじめ大陸との渡航を守り、
奈良時代以前より外交・貿易、またあらゆる産業を守護する神として称えられてきました。
「海の神」ということは、わたくしどもの生命の根源を守る神を意味します。
地表の7割は海であり、生命もそこから誕生しました。海の幸を与えてくださり、
海を隔てた遠い国からは知識や文物も渡ってきました。
我が国は常に海とともに生きてきました。
自然に対し、普段から敬意と畏怖の念を持つ必要があると思います。
この海の底・中・表面を神と称え、住吉の神と崇めてきた古代の人々の考えに深い敬意を表する次第でございます。
住吉大社の詳細については、このホームページをご覧ください。
歴史と伝統に彩られた当社の全貌をしることができるでしょう。
住吉大社宮司
髙井 道弘
(たかいみちひろ)
千秋楽 萬歳楽
治まる御代が末永く繁栄する願いの込めた祝いの言葉です。
謡曲「高砂」にも住吉明神が「千秋楽は民を撫で、萬歳楽は命を延ぶ」と謡われています。
16世紀日本各地を旅した宣教師ルイス・フロイスは、住吉祭について詳細な記述を残しています。
彼が記した『日本史』によれば、数百人の群衆は住吉大神の神輿に歓喜し、「千歳楽、萬歳楽」と歌いながら進んだと記されています。
今日の住吉祭における神輿奉舁の掛け声「べぇらじゃ」「べえら」の源流になった言葉であると云われています。