宮司あいさつ

 住吉大神は古来より海の神として、またお祓いの神として人々の篤い信仰を受けてきました。我が国の成り立ちを説く神話において、海は欠かすことの出来ない神聖でそして重要な役割を果たしています。

 住吉大神は『古事記』『日本書紀』の神話によりますと、イザナギ命が黄泉の国の穢れを祓う為に海中で禊祓(みそぎはらい)をされたとき、海の底・中・表(うわ)から出現されたと記され、ツツノヲの神と名づけられています。すなわち住吉大社の御祭神、底(そこ)筒男(つつのをの)命(みこと)・中(なか)筒男命・表(うわ)筒男命の住吉三神であります。その御出現の謂れにより、その御神威の領(しろ)しめすところは、海底・海中・海上と海の全域を網羅され、イザナギ命の禊祓(みそぎはらい)を司った神として、海の守り神、お祓いの神としての御神格を担われました。そして、この三神を住吉の地に鎮め祀られましたのが、第14代仲哀天皇のお后、神(じん)功(ぐう)皇后(こうごう)・息(おき)長足(ながたらし)姫(ひめの)命(みこと)であります。

 『日本書記』に、「吾が和魂(にぎみたま)をば大津(おほつ)の淳(ぬ)中倉(なくら)の長狭(ながを)に居(ま)さしむべし。便(すなは)ち因(よ)りて往来(ゆきかよ)ふ船を看(みそなは)さむ」との御神託によることと記されています。御鎮座の年代は神功皇后摂政11年・西暦211年(帝王編年記)とされています。そして後世に至り神功皇后も住吉大神として伴にお祀りされることとなりました。

 爾来1800年を超える歴史において、摂津国一宮、明神大社として朝廷の殊遇を賜り、遣唐使の発遣、歌人の尊崇、文学の舞台、北前船や菱垣廻船の航海守護など、皇室を始め庶民の信仰に至るまで特筆すべき事柄が数多くあります。 現在、住吉大神を祀る本殿四棟は神社建築では最古の様式を伝えるものとして国宝に指定されるほか、重要文化財、国の登録文化財に指定された多数の建造物や宝物を有しています。境内には名勝の反橋(太鼓橋)を始め多くの国と市の史跡を含み、景勝住吉之浜の白砂清松の名残を有する松の姿も麗しく、森厳な社叢は大阪府みどり百選にも選定されています。

 これら有形無形の伝統文化は住吉大社の信仰の根源であります。また我が国の歴史を語る上においても欠かすことの出来ない大切なものです。
私どもは、今後もこの住吉信仰を次世代に伝承するために神明奉仕に努めて参る所存です。
何卒崇敬者の皆様方には格別のご支援ご協力を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。

住吉大社 宮司
加藤 司郎
(かとうしろう)

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