住吉大社の本殿
- 祭神:第一本宮 底筒男命(そこつつのおのみこと)
- 第二本宮 中筒男命(なかつつのおのみこと)
- 第三本宮 表筒男命(うわつつのおのみこと)
- 第四本宮 息長足姫命(おきながたらしひめのみこと、※神功皇后)
本殿の配置
住吉大神と神功皇后を祀る4つの神殿は、第一から第四までに四本宮(本殿および接続する渡殿・幣殿)によって構成されています。第一・第二・第三本宮が縦に直列し、第三・第四本宮が横に並列するという独特の配列になっており、あたかも大海原をゆく船団のように四本宮がならびます。古代の祭祀形態をよく伝える貴重な存在です。
本殿の建築「住吉造」
住吉大社の本殿は「住吉造」と称される建築様式で、神社建築の最古の様式を伝えるものです。現在、4棟の本殿すべてが国宝に指定されています。
屋根は桧皮葺(ひわだぶき、※ヒノキの皮を敷き重ねて屋根をふいたもの)で、妻入(つまいり)の切妻造(つまきりつまづくり)の特徴をもつ直線的な建築です。室内は外陣(げじん)と内陣(ないじん)の二間に分かれ、内陣は一段高く造られています。外観の柱は丹塗(にぬり)、壁は胡粉塗(ごふんぬり、※カキなどの貝殻を磨り潰した塗料)で彩色されています。
住吉造の平面構造は、天皇陛下の大嘗祭(だいじょうさい)で造営される神殿「大嘗宮(だいじょうきゅう)」と類似した構造であることも特徴として指摘されます。現存の本殿は、江戸時代の文化7年(1810)に造営されたものです。